Around the World

◆世界一周ワインの旅◆

今や、ワインは世界中どこでも出来るというくらい様々な国で造られ、ローカルフードとともに親しまれています。

世界の料理とともにワインを味わう旅を楽しみましょう!




インド

「こんな暑い国でワインが出来るの?」と驚かれますが、実はインドのワイン生産の歴史は、紀元前4世紀にペルシア商人が持ち込んで始まっています。

本格的にワインを造り始めたのは、イギリス、ポルトガルの植民地支配時期からです。英国からの独立後、国の禁酒政策によりアルコール目的ではなく食用にブドウが生産されてきました。

1980年代から世界の流れに沿ってインドでも飲酒する人々が増え、ワインが再び造られるようになりました。年々20~30%の消費増加傾向にあります。

ブドウ栽培は、高温多湿のために「パーゴラ」と呼ばれる棚づくりと、灌漑を必要とします。

【主な品種】

シュナンブラン、ジンファンデル、シラー、ソーヴィニヨンブランなど。

【主なワイナリー】

シャトー・インダージュ(Chateau Indage)

スラ・ヴィンヤーズなど。


南アフリカ共和国

現在ワインの生産量は世界第8位。

17世紀にオランダ人が入植してワイン造りをはじめ、のちにフランスが技術をもたらしました。

「ケープ・ドクター」と呼ばれる季節風がブドウの腐敗とうどん粉病などから回避させ、発育は良好。

コンスタンシア地域で造られる甘口ワインはヨーロッパの貴族の間で流行し、一躍有名に。現在も「コンスタンシア」は存在します。

アパルトヘイト時代に生産量は激減しましたが1994年にマンデラ政権下で輸出市場が開放され、KWVと呼ばれる国営企業も民営化し、ワイン産業は活発化しました。

1973年EU法に対応する原産地呼称制度のWine of Origin(W.O.)を設置しています。

【主な品種】

シュナンブラン(スティーン)、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーズ、ピノタージュ、サンソーなど。

【主なワイナリー】

KWV、マン、ポール・クルーヴァーなど

ロシア

ロシア南部では、紀元前からブドウ造りが行われ、またコーカサス山脈周辺はワイン発祥の地と呼ばれています。戦前までは自由栽培でブドウが造られていましたが、国有化されてからはあまり特徴のない安酒になってしまいました。

やがて、ソ連崩壊後に私企業となったワイナリーが品質の高いワイン生産をはじめ、ワイン産業が復興。もともと良質のブドウが出来る環境もあって、近年は世界に称賛されるハイクオリティのワインを作り出しています。



【主な品種】

サペラヴィ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネ、ソーヴィニヨンブランなど。

【主なワイナリー】

アブラウ・ドゥルソ、シャトー・ラ・グランド・ボストークなど。

ルーマニア

日本ではなじみがまだ薄いかもしれませんが、世界第15位前後のワイン生産量です。ハンガリー、ギリシアと並んで有数のワイン国です。

北東部のモルダヴィアが最も盛んです。

もともと国民の9割がカトリック教徒で、ミサにかかせないワインの生産は脈々とありました。

緯度はボルドーとほぼ同じで夏暑く、降水量が少ない大陸性気候により、良質のブドウが出来ます。

メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど国際品種のレベルも高いですが、地元品種の生産も盛んです。

【主な品種】

フェテアスカ・ネアグラ、カダルカ、バベアスカ・グリ、メルロ、シラー、リースリング・イタリコなど。

【主なワイナリー】

セナトール、サハテニ、ジドウェイ、ヴィナルテなど

ハンガリー

紀元前にローマ人によってもたらされたブドウが根付き、ワイン生産が盛んになりました。

主な産地としては白ワインの名産地でもある「バラトン湖」の一帯や、極上の貴腐ワインであるトカイワインを生み出す「トカイ盆地」、ハンガリーワインの中で最もポピュラーな「エグリ・ビカヴェール」が生産される「エゲル地方」が挙げられます。

1994年に施行されたワイン法によって22地域がワイン産地に指定されています。


【主な品種】

ケークフランコシュ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、レアニカ、オラス・リースリングなど。

【主なワイナリー】

トカイ・ケレシュケドゥーハーズ、ヴィタヴィンなど。